投資信託なら投信スーパーセンター! by 日興コーディアル証券
詳細検索
投資信託の投信スーパーセンター HOME
>
投スパカルチャーセンター
>
特別講座
> 島田知保の“自分流で選ぶ‘あんしん運用’のために”第8回
特別講座一覧へ戻る
島田知保の“自分流で選ぶ‘あんしん運用’のために”
<第8回:適応力と本質を兼ね備えた視線を持つ>
講師:島田知保 (月刊「投資信託事情」発行人・編集長)
休日に、品川区と近所の商店街が行なう街起こしイベントで、"つまみ食いウォーク"に参加しました。地元の小学校がスタート地点。「つまみ食い券」10枚と福引券つきのガイドちらしやマップ、エコバッグをもらって出発です。戸越銀座、武蔵小山など参加している商店街は、超大型スーパーに占領されずに、個人商店が連なっている昔ながらの懐かしい風景を残しています。
店先でコロッケやハムカツ、田楽、おぼろ豆腐、果物やお菓子など、参加店舗の商品をチケットと交換でつまみ食いして歩きます。普段お店が開いている時間帯にゆっくり歩くことのない商店街を、3時間くらいかけて歩き回りました。参加者は約3200名とのこと。近所で無料で楽しめ、しかもウォークですから健康にも良いとあって、不景気時代の休日には適した催しだったようです。
気がついたのは、初老のご夫婦連れが多いこと。そして、古くからの店ではないところの入れ替わりの速さでした。100円ショップはなくなり、お惣菜屋さんが増えています。それも若い方向けのこってり系ではなく、いわゆるお袋の味系で、切り干し大根やひじき、煮物などを売るお店です。意外に思ったのは、衣料品店がけっこう健闘していること。店先で近所の大奥様どうしでコートやセーターを品定めしています。マッサージや鍼灸など健康・リラクゼーション関係のお店も、あちこちで見かけました。
変わるニーズと街の風景
実はその前日、免許の書き換えに警察署に行って、その帰り、子供の頃よく買い物に連れて行かれた街を歩きました。夕方の買い物の時間帯なのですが、商店街はシャッターの閉じた店もちらほらあり、にぎわっているのは駅前のスーパーマーケットの周辺ばかり。歩いているのはほとんどが「おばあちゃん、おじいちゃん」と呼ばれる世代の方です。個人的には、こうした呼び方は好きではありません。円熟世代とでもお呼びしたいと思います。そうは言っても、ベビーカーでお買い物をするお母さんが少なく、若干の学校帰りの中高生をみかける程度です。日本の少子高齢化を象徴する風景でした。
確かに私自身、歩くだけで楽しかった渋谷の街にも、最近では「疲れるから」ピンポイントで用事がなければ近づかなくなりました。衣服なども、決まった店か通りがかりにたまに調達するだけで、新たな店やブランドの開拓にかける情熱も時間もありません。買う量も、欲望も激減しています。
歳をとるというのは、こういうことなんだなあ、確かに高齢化社会では消費の量は圧倒的に下がるだろうなあ、と実感します。繁華街に出なくなれば、近所の商店街の衣料品店に小洒落たものがあれば、多少高くても購入する人は増えていくわけです。パートナーが亡くなって一人になると、一人暮らしであれ、子供と同居であれ、自炊が面倒でおかずを買って済ませる日も増えてくるのでしょう。健康維持に気をつけるようになると、マッサージや鍼灸にもお金をかけるようになります。スターバックスやドトールも、地元ではお一人様の円熟世代を普通に見るようになりました。免許書き換えの帰りに入ったドトールでは、お客様の半分がそうした世代の方でした。もしかしたら、ホットドッグよりお稲荷さんを出した方が売れるかもしれません。
懐かしさの残る街の風景の中に、高齢化社会のニーズに応える店が増えていくのは、街が住民のニーズを上手に汲み取って生き残っている姿ではないでしょうか。商店街でも、企業でも、信頼を支える変わらない良さと、変化に適応していく勇気を、共に持たなければならないのでしょう。
"幸せを育てる"お金を提供する
投資をするときにも、世の中の変化やニーズの移り変わりは、大きなポイントになります。ただ、やみくもに変化に追従すると、本質が失われてしまいかねません。変わらない基本、それがちょっと大げさに言えば「お金とは何か」という考え方なのかもしれません。
金融とは、必要なところに資金を回し、回っていくお金が行く先々で価値を生み、その結果、社会や人々が豊かになっていく仕組みでもあります。どこかでお金が止まってしまったり、社会のごく一部だけが利益を吸い上げる仕組みは長続きしません。お金は、製品やサービスなど価値あるものを生み、価値の交換を円滑にする働きをしながら、更に付加価値を生んでいく大切な機能を持ちます。
投資にあたっても、お金がお金を生むのではなく、お金は働きに行き、価値を生むからこそ増えるというのが本来の姿でしょう。企業に投資するとき、その企業が何を生み出しているのか? 国に投資するとき、その国の人々の生活はどのように変わっていくのか? ちょっと想像してみれば、社会の変化やニーズに応えて長期で育てていく資産運用が可能になります。
自分のお金が働き、よりよい暮らしや、より幸福を感じられる社会を作っていく。近所の商店街での買い物のように、不況でも円高でも私たちは生活を続け、幸福を求めて生きています。
そうした日々の暮らしに欠かせない会社で、なおかつニーズの変化にも対応できるなら、きっと長期で生き残っていくはずです。株価が下がっていても、日本にも世界にも、そんな会社はたくさんあります。ですから、長期の時間軸で見れば、株式投資の魅力は決して小さなものではありません。
そんな会社を長期で応援しながら、モノやお金だけではない社会の豊かさをもリターンとして受け取るのは、私たち個人投資家なのです。
島田知保(しまだちほ)
イボットソン・アソシエイツ・ジャパン株式会社 月刊「投資信託事情」発行人・編集長。東京生まれ。文部省宇宙科学研究所、衆議院議員公設秘書などを経て1995年より現職。創刊50年の投資信託専門誌「投資信託事情」は、愚直に経済・金融の社会的役割を追求する硬派な雑誌。投信関連調査、ソフト開発・開示資料・広報活動へのアドバイス、各種セミナー講師なども務める。 また、社会的責任投資(SRI)、責任投資原則(PRI)という考え方の普及に努めている。TBSテレビ「ブロードキャスター」コメンテーター、日経ラジオ「マーケット・トレンド」 ほか出演。岩波ブックレット「金融商品Q A」(共著)、教職員共済組合「共済だより」連載、ほか新聞、雑誌への執筆など。
この講座のほかの回を見る
第01回 ドタバタ時計と"あんしん"時計
第02回 下落局面でパニクるか、ルンルンか?
第03回 注目のテーマ投資と地球環境
第04回 投スパ投資家は偉い!かも?
第05回 下落ショックを抑える資産運用のツボ
第06回 思い立ったら、リバランス計画を立てる
第07回 目標を見据えて、一人でも続ける
第08回 適応力と本質を兼ね備えた視線を持つ
第09回 自分の弱点を知って、判断の偏りを克服しよう
第10回 積み立て投資で「時間」を味方につける
第11回 大恐慌時代に学ぶ資産作りの王道
第12回 'あんしん'と'幸せ'を育てよう
特別講座一覧へ戻る