投資信託なら投信スーパーセンター! by 日興コーディアル証券
詳細検索
投資信託の投信スーパーセンター HOME
>
投スパカルチャーセンター
>
特別講座
> 島田知保の“自分流で選ぶ‘あんしん運用’のために”第11回
特別講座一覧へ戻る
島田知保の“自分流で選ぶ‘あんしん運用’のために”
<第11回:大恐慌時代に学ぶ資産作りの王道>
講師:島田知保 (月刊「投資信託事情」発行人・編集長)
目的を持って長期投資をしよう!と思っても、日々のニュースは景気の悪化を伝えています。私はこれらを"ドタバタ時計"で見ないように注意しながら、視線は将来へと向けて物事をとらえるように心がけています。
くり返すまでもなく、株式や債券は企業活動を通じて生じるその企業の価値によって裏付けられた証券です。どんなに辛い時期でも、たとえ一時は人員削減などの悪いニュースが流れても、「生き残っていく企業は長期では収益を伸ばしていく」と信じるかどうかが、投資を続けられるか否かの分かれ目ではないでしょうか。それを信じられれば、株式や債券はあえてリスクをとってでも長期で保有する価値のある資産です。
1929年の世界大恐慌。回復まで25年!?
そこで、長期投資のヒントを求めて、今回の不況と比較して語られることの多い1929年の米国発世界大恐慌時代を振り返ってみましょう。過去のデータを使うので、いつがピークだったか、どのあたりが大底で、いつごろまでに回復したかなど、分析が可能です。様々な仮定でシミュレーションもできます。もちろん、当時投資していたとしても「ピークからこうしていたら…」と、仮定と同じ行動がとれるわけではありませんが、理論上の実験だとしても充分参考になると思います。
まず、株価だけを見るとしましょう。つまり、日々みなさんが見ている日経平均株価などの値をそのまま見たら、ということです。米国の株式市場の動きを表す代表的な指数であるS&P500種株価指数では、元の水準に戻るまでに25年1ヶ月もかかりました(グラフのピンク線)。人生100年としても一生の4分の1ですから、いくら長期投資といっても戻るのを待つだけには長すぎます。
何とかこの回復までの時間を早める方法は無いものでしょうか? 私たちが資産形成に取組むとき、前提とする「収益の再投資」という方法を考えてみましょう。S&P500を配当金再投資で運用したとすればいいわけです。すると、同じ水準に回復するまでの時間は15年5ヶ月となり、10年近く短縮されたことになります(グラフの青い線)。
15年でも長い…というわけで、ちょっと無理矢理な気もしますが、「もしも債券と株式に分散投資をしていたら?」と考えてみましょう。資産配分は50%ずつ、価格変動で投資比率が変化するので、理論上毎月資産配分を調整して50%ずつに戻すと仮定してシミュレーションをしました(実際のリバランスにはコストもかかりますから、1年に1回程度で充分なのですが)。その結果、元の水準に回復するまでの期間は6年2ヶ月。指数だけを見た場合の4分の1以下に短縮されたことになります(グラフのオレンジ線)。
収益の再投資と、分散投資。資産運用の基本中の基本の二つの方法を組み合わせたことで、理論どおりにこれほどの成果が出るとはでき過ぎという気がしますが、過去のデータを用いたシミュレーションですからどこにも「魔法」はありません。
25年をもっともっと短縮する方法
でも、実はもっと期間を短縮する方法があるのです。それは資産運用のもう一つの基本である「積み立て投資」です。もしこの時期にドル・コスト平均法で、毎月同じ金額を積み立てていったとします。多くの人が投資をする勇気を失い、「あの頃は良かった」とか「いつになったら戻るのだろうか」と、市場から退場している時期ですから、投資を続けるのには強い意志と勇気、そして市場を信じる信念が必要かもしれません。それでも、市場が下がり続けている中で黙々と積み立て投資を続けていくわけです。
すると、そのような努力が、うれしいことに報われる結果となりました。しかも、おそらく誰もが想像するより、ずっと早く報われる結果です。なんと、元の水準に戻るまでの期間は3年9ヶ月となったのです。グラフで言うと、下の色のついた三角形が積み立てていった資金を表しています。真ん中の棒グラフが、その時々の収益額、そして折れ線グラフが実際の資産額の推移です。グラフの真ん中あたり、積立額の直線と交わったところ以降は、元に戻って、さらに収益が出ているわけです。
実際には、市場が下落してから気がつくわけですから、下落直前のピークから下落局面を通してずっと投資をするというシナリオはほぼ不可能でしょう。その点では、このようなシミュレーションは「絵に描いた餅」と思われるかもしれません。
しかし、本当に大切なことは、長期の心構えで、このような局面でも「収益の再投資」と「資産の分散」そして、「積み立て投資」をすることは、過去のデータで実験したかぎりでは、相当に有効な回復のスピードアップ法であることが示されているということです。
そしてもう一つ、特に投資期間をあまり長くできない方にとっては、最初のグラフで茶色で示されている「自国通貨建て債券」はほとんどマイナスになっていないことも重要なポイントになります。資産を殖やすという観点からは、大きなリターンは期待できませんが、資産価値の下落を抑制したい場合には、このような「面白みのない資産」も考慮する価値があるわけです。
島田知保(しまだちほ)
イボットソン・アソシエイツ・ジャパン株式会社 月刊「投資信託事情」発行人・編集長。東京生まれ。文部省宇宙科学研究所、衆議院議員公設秘書などを経て1995年より現職。創刊50年の投資信託専門誌「投資信託事情」は、愚直に経済・金融の社会的役割を追求する硬派な雑誌。投信関連調査、ソフト開発・開示資料・広報活動へのアドバイス、各種セミナー講師なども務める。 また、社会的責任投資(SRI)、責任投資原則(PRI)という考え方の普及に努めている。TBSテレビ「ブロードキャスター」コメンテーター、日経ラジオ「マーケット・トレンド」 ほか出演。岩波ブックレット「金融商品Q A」(共著)、教職員共済組合「共済だより」連載、ほか新聞、雑誌への執筆など。
この講座のほかの回を見る
第01回 ドタバタ時計と"あんしん"時計
第02回 下落局面でパニクるか、ルンルンか?
第03回 注目のテーマ投資と地球環境
第04回 投スパ投資家は偉い!かも?
第05回 下落ショックを抑える資産運用のツボ
第06回 思い立ったら、リバランス計画を立てる
第07回 目標を見据えて、一人でも続ける
第08回 適応力と本質を兼ね備えた視線を持つ
第09回 自分の弱点を知って、判断の偏りを克服しよう
第10回 積み立て投資で「時間」を味方につける
第11回 大恐慌時代に学ぶ資産作りの王道
第12回 'あんしん'と'幸せ'を育てよう
特別講座一覧へ戻る