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コモディティファンドはあくまでもサブファンド
2008年6月2日
1990年代後半から、息の長いコモディティ(商品)価格の上昇トレンドが続いている。国内外の株式や債券によるインデックス型の分散投資でも、昨年度はマイナスの成績となってしまったため、なおさらコモディティの動きが気になって仕方がない人も多いことだろう。いっそ、コモディティファンドをポートフォリオ全体のコアファンドにしてしまおうかとも考えてしまう。わが国の投資信託に関する法律では、投資信託の運用対象に直接コモディティを組み入れることは禁じられているが、仕組債を利用する形で、さまざまなコモディティインデックスに連動した運用成果が期待できる投資信託が設定されているからだ。
過去1年程度の運用成績を見れば、確かにコモディティファンドをコアファンドにしたい気持ちもわかる。ただ、コモディティ(商品)は株式と異なり、成長ということがありえないことを忘れてはならない。価格の上昇は成長していることの証では?と問われるかもしれないが、コモディティの価格が上昇しているのは、あくまでも需給関係で動いているだけである。簡単に言えば、原油などのエネルギーは限りある資源だし、穀物はこれまで人と家畜(飼料)という2者の取り合いだったものが、バイオエネルギーという新たな需要が生み出され、3者の取り合いに変わったこと。さらに、世界では年間約8,000万人もの人口が増えているにもかかわらず、農業従事者が減少していることから、需給関係がタイトな状態が続いているからだ。
一方生活者からみれば、コモディティ価格の上昇は、インフレを招く可能性があり生活を苦しくすることになる。つまり、コモディティ価格が上昇しないことが望ましいわけ。翻って、株式や国という単位で考えてみると、株価の上昇や国の成長が続いて怒る人はほとんど皆無。むしろ、株価が上昇することは、企業業績が好調に推移している(=成長している)ケースが一般的なので、投資家、従業員(収入で見返りがある)などだれもが成長の恩恵に預かることができる。国の成長が続くことも、自国民の生活が通常は豊かになることになる。株価の上昇や国の成長は私たちにとってプラスに働くことが多いが、コモディティ価格の上昇がプラスに働くことはあまりないと考えられよう。さすれば、需給だけで動いているコモディティをベースにしたコモディティファンドをポートフォリオのコアにするのは、価格のトレンドを追っている投機に近い行為になる可能性が高い。あくまでも、株式や債券などのリスクヘッジとしてポートフォリオの一部に組み入れるのが自然だと思うのだが。ただし、ここ数年のコモディティ価格のトレンドを見ていると、ポートフォリオの配分比率を高めたい気持ちもよくわかるが・・・。
有限会社ファイナンシャルリサーチ 代表/AFP
深野 康彦
プロフィールとコラム一覧
1962(昭和37)年8月1日生
東京経済大学経済学部経済学科卒
株式会社 オリックス・クレジットを経て
平成元年4月 独立系FP会社エムエムアイ入社
平成7年12月 エムエムアイを退社し
平成8年1月 有限会社ワイズマネジメントを伊藤裕氏と設立
平成17年12月 同社を退社
平成18年1月 有限会社ファイナンシャルリサーチを設立し
現在に至る
※日本ファイナンシャルプランナーズ協会認定講師
個人の相談業務を行いながら、さまざまなメディアを中心に、個人の資産運用や管理、家計管理や見直しなど、お金に関する啓蒙活動及び、新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融データの提供を行っている。
FPの養成講座や各種セミナーの講師、確定拠出年金導入企業の導入教育の講師、ラジオ番組のパーソナリティーなども担当している。
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。