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投資信託にも影響大、平成20年度の税制改正
2008年8月25日
やや旧聞になってしまう話題かもしれないが、平成20年度の税制改正は投資信託には厳しい内容になった。本来であれば、税制改正法案は前年度内に決定されるのだが、今年度は4月のガソリン暫定税率問題の影響を受け、法案が可決されたのは4月30日。当時はガソリン暫定税率一色かつ、税制改正自体が小粒の改正であったため話題にすらならなかった。
ところが証券税制については、大改正があったと認識しておいたほうがよいだろう。皆さんご存じかと思われるが、上場株式等の譲渡益(公募株式投資信託の買取請求の譲渡益を含む)、配当金(公募株式投資信託の普通分配金を含む)に対する税率は、平成20年内は10%の軽減税率が適用され、平成21年1月からは原則20%の税率になることが決まっている。配当金に対する税率は、平成21年4月1日から20%に引き上げられるはずであったが、今年度の改正で平成21年1月からと3ヵ月前倒しとなった。ただし、平成21年、22年の2年間については、譲渡益は年間500万円まで、配当金は年間100万円(1銘柄あたりの年間配当金が1万円以下の銘柄は除く)までは、これまで通り10%の軽減税率が適用されることになる。
ここで問題となるのが、譲渡益では年間500万円、配当金については年間100万円をそれぞれ越えた場合、越えた部分の税率が20%になり、かつ確定申告が必要になることだ。特定口座の源泉徴収選択口座(通称、「源泉徴収あり」)を利用していても、年間の譲渡益が500万円を越えれば、確定申告をしなければならない。予断だが、デイトレードなどで活発に株式を売買する投資家は影響大である。
もちろん、投資信託の投資家にも影響はある。それよりも、配当金に対する課税の取扱いである。先に述べたように年間の配当金が100万円を越えると、越えた部分の税率は20%になり、かつ配当金でも確定申告が必要になる。一見すれば、確定申告すればよいだけだろう!と考えてしまうが、国民健康保険の被保険者は要注意なのである。国民健康保険(介護保険を含む)の保険料は、前年の世帯全体の課税所得によって決められている。つまり、確定申告をすることにより世帯所得が増え、結果として国民健康保険料などの負担が増えるケースがあるわけ。
グローバル・ソブリン・オープンをはじめとした、定期分配型投資信託が花盛りとなっているが、同投資信託だけ保有している投資家は、約1,600万円以上投資していれば、現状の分配金が続けば、年間の普通分配金が100万円を越えることになるだろう。投資信託業界は、昨年の金融商品取引法により少なからず影響を受けたが、今年も税制改正により販売現場の混乱が予想されよう。
なお、平成21年からは、解約請求による利益についても、買取請求と同じく譲渡所得扱いになることをお忘れなく。さらに、確定申告をすることにより、配当金と上場株式等の損失との通算も平成21年から可能になる予定。税制はきちんと押さえておこう。
有限会社ファイナンシャルリサーチ 代表/AFP
深野 康彦
プロフィールとコラム一覧
1962(昭和37)年8月1日生
東京経済大学経済学部経済学科卒
株式会社 オリックス・クレジットを経て
平成元年4月 独立系FP会社エムエムアイ入社
平成7年12月 エムエムアイを退社し
平成8年1月 有限会社ワイズマネジメントを伊藤裕氏と設立
平成17年12月 同社を退社
平成18年1月 有限会社ファイナンシャルリサーチを設立し
現在に至る
※日本ファイナンシャルプランナーズ協会認定講師
個人の相談業務を行いながら、さまざまなメディアを中心に、個人の資産運用や管理、家計管理や見直しなど、お金に関する啓蒙活動及び、新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融データの提供を行っている。
FPの養成講座や各種セミナーの講師、確定拠出年金導入企業の導入教育の講師、ラジオ番組のパーソナリティーなども担当している。
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。