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米国の凋落が意味するものは?
2009年1月16日
2008年後半における米国の凋落には目を覆いたくなってしまう。現段階で凋落と決めつけるのはよくないのかもしれないが、資産運用において、米国の凋落が始まりつつあるということは、頭の片隅に入れておく必要がある気がしてならない。100年に1度の金融危機が、米国発だったからではなく、米国内でも同国の凋落を発表した機関があるからだ。若干古い話題なのかもしれないが、2008年11月20日、米国中央情報局(CIA)などで組織する国家情報会議(NIC)は、2025年の世界情勢を展望する報告書において「米国は圧倒的な優位が弱まる」とし、超大国ではないことを自ら認めたのである。さらに、通貨米ドルに関しても「米ドルの国際的な役割は衰え、複数の基軸通貨が並立するなかでの筆頭格となる可能性が高い」とも指摘している。あくまでも展望報告書なので、その内容通りに世界情勢が変化するわけではないが、資産形成は過去に溯るのではなく、将来を見据えて投資を行うものであるとすれば、看過できない内容と言えるだろう。
米国凋落の何が問題なのかと問われれば、外国株式インデックスファンドの将来性に疑問符が付いてしまうことである。正確にいえば、全ての外国株式インデックスファンドではなく、MSCIコクサイに連動する外国株式インデックスファンドについてと限定されよう。MSCIコクサイは、日本を除く世界22カ国の株式で構成されている株価指数である。国別資産配分は、各国の時価総額を基準としているため、世界最大の株式市場を誇る米国がざっくり言えば50%前後を占めている。とすれば、MSCIコクサイ指数の行方、言い換えれば同指数が上昇トレンドを描くか否かは、米国株式市場の影響が非常に大きいということになる。仮に展望報告書のように米国が凋落していくならば、資産配分の50%を米国株式市場が占めるMSCIコクサイは、これまでのような期待収益を確保することが難しいことになってしまう気がしてならない。確かに、米国は世界の超大国であるし、他の先進諸国も高い成長を上げ続けてきたわけだが、それは過去、極端な話をすれば20世紀の出来事であって、既に始まっている21世紀の出来事ではない可能性が高い。だって、世界のフレームワークは新興国を抜きに語ることができなくなっているのですから。世界の仕組みが変わるのであれば、資産運用もこれまでと同じ視点ではなく、新たなフレームワークに合わせた資産配分をする必要が出てきたと思われてならない。
有限会社ファイナンシャルリサーチ 代表/AFP
深野 康彦
プロフィールとコラム一覧
1962(昭和37)年8月1日生
東京経済大学経済学部経済学科卒
株式会社 オリックス・クレジットを経て
平成元年4月 独立系FP会社エムエムアイ入社
平成7年12月 エムエムアイを退社し
平成8年1月 有限会社ワイズマネジメントを伊藤裕氏と設立
平成17年12月 同社を退社
平成18年1月 有限会社ファイナンシャルリサーチを設立し
現在に至る
※日本ファイナンシャルプランナーズ協会認定講師
個人の相談業務を行いながら、さまざまなメディアを中心に、個人の資産運用や管理、家計管理や見直しなど、お金に関する啓蒙活動及び、新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融データの提供を行っている。
FPの養成講座や各種セミナーの講師、確定拠出年金導入企業の導入教育の講師、ラジオ番組のパーソナリティーなども担当している。
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。