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慣れは恒常化すると一般論に変化する
2009年6月22日
日米ともに長期金利に関する報道を見聞きする機会が増えている気がしてならない。両国共に、長期金利の上昇を懸念する報道である。日本の新発10年国債の利回りは、2008年11月以来1.5%台に乗せてきている。長期金利が上昇している要因は、景気に明るさが灯り始めたこと、大盤振舞いの財政出動による景気対策で財政悪化懸念が出ていることなどがあげられる。
今後の長期金利の動向には注意を払うべきなのだろうが、1.5%という金利水準が本当に高いのかどうかを吟味する必要があるのではないか。わが国では低金利が恒常化しているため、金利水準に対する感覚がマヒしている気がするのは筆者だけだろうか。低金利がいつから始まったのかは人によって見方はそれぞれだが、筆者は1995年9月に公定歩合が1.0%から0.5%に引き下げられた時から、低金利が始まったと考えている。かれこれ約14年間も低金利が続いているのであれば、人々の感覚では金利は低いもの、あるいは金利は上がらないものと思ってしまうのだろう。
わが国の長期金利は、2003年6月に0.43%という史上最低金利を付けているのだから、1.5%台乗せは高金利の部類になってしまうのかもしれない。もっといえば、現在40代半ば以下の人であれば、社会人になって本格的な金利上昇局面に出くわしていないのだから、長期金利が1.5%を越えてくると感覚的に金利が上昇していると思ってしまうのではないか。もちろん、先の年齢より年配の人達も金利が上がったと騒いでいるのだから、無理からぬことなのだろう。
翻って投資信託業界を俯瞰してみると、インデックスファンドを礼賛する記事が増えているように思えてならない。投資コストを抑えることができ、基準価額の変動が指数に連動するためわかりやすい。さらに、長期的にベンチマークを上回り続けるアクティブタイプのファンドは、ほとんど存在しないという言葉でダメを押す。これらの説明(解説または意見を含む)が恒常化してしまうと、アクティブタイプの投資信託無用論に発展しはしないだろうか。確かにベンチマークを上回るアクティブ運用タイプの投資信託は少ないが、10年以上も運用を続けている投資信託の中には、ベンチマークを大きく凌駕しているファンドも存在する。それらのファンドに陽が当たらず、「長期的にベンチマークを上回り続けるアクティブファンドはほとんど存在しない」で済まされてしまうと、先の長期金利の話ではないが感覚がマヒしてしまう恐れがあるのではないか。慣れが恒常化すると一般論になってしまうと思われるのだが。
有限会社ファイナンシャルリサーチ 代表/AFP
深野 康彦
プロフィールとコラム一覧
1962(昭和37)年8月1日生
東京経済大学経済学部経済学科卒
株式会社 オリックス・クレジットを経て
平成元年4月 独立系FP会社エムエムアイ入社
平成7年12月 エムエムアイを退社し
平成8年1月 有限会社ワイズマネジメントを伊藤裕氏と設立
平成17年12月 同社を退社
平成18年1月 有限会社ファイナンシャルリサーチを設立し
現在に至る
※日本ファイナンシャルプランナーズ協会認定講師
個人の相談業務を行いながら、さまざまなメディアを中心に、個人の資産運用や管理、家計管理や見直しなど、お金に関する啓蒙活動及び、新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融データの提供を行っている。
FPの養成講座や各種セミナーの講師、確定拠出年金導入企業の導入教育の講師、ラジオ番組のパーソナリティーなども担当している。
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。