投資信託なら投信スーパーセンター! by 日興コーディアル証券
詳細検索
投資信託の投信スーパーセンター HOME
>
マーケット情報
>
週刊!プロのお知恵拝借
> コラム
マクロ経済と金利・各マーケットの先行き見通し(3)
2007年6月11日
前回、前々回では、株式投資・債券投資とマクロ経済などの先行き見通しとの関係を見てきました。今回は、個人の資産運用ではもうひとつ、外貨建ての資産運用でかかわる為替市場について、同様に考えて見ましょう。
為替市場には以下のような変動要因が考えられます。
(1)
各国のファンダメンタルズ:主に経済成長率やインフレ率などの各国間の相対比較で、成長率が高く、インフレ率が低ければ、高い投資成果が得られると考えられ、結果投資資金の流入から通貨高、反対ならば通貨安となる。
(2)
各国の金利差の変動:世界中を駆け巡るグローバルな投資資金は、収益を求めて相対的に高い金利水準の国・地域に向かうことによって通貨高、逆に低い金利水準の国・地域は通貨安となる。その金利差が変動すると為替市場に影響を与える。
(3)
各国通貨の需給:貿易決済に伴う実需もあるが、通貨当局の為替市場介入や機関投資家・ヘッジファンドなどによる投資行動が、時には短期的に大きな影響を与える。
(4)
各国の政策:為替に関する国際協調体制や、一国の税制・外国為替管理に関する法律の変更などが、一時的あるいは継続的に影響を与える。
最近よく話題になる「円キャリートレード」は主に、(2)の日本の低金利と高金利国との金利差を取る投資ですが、背景にはわが国の成長率が低く、したがって低金利状態が今後も続くとの見通しに立っておこなわれているものです。
そこで、また内閣府発表の「日本経済の進路と戦略」の数値を見てみましょう。
仮に、政府見通しのように、今後4年程度で成長率が倍(2.2%→3.9%)、物価上昇率が4倍(0.5%→1.9%)、長期金利が倍(2.1%→4.0%)となり、先進主要国との相対比較で日本の変化がより大きければ、今後の為替動向はどうなるでしょう。
今すぐにということではないでしょうが、いずれかの時点では短期的に、円キャリートレードが前提としている日本の金利水準の低位安定が見直されることにより、巻き戻し=他通貨売りで円買戻しの動き→円高の傾向が出てくる可能性があります。中期的にも出遅れていた日本の経済が、今後立ち直ってくるようだと、先行しているユーロ圏、目先ピークをつけたと思われる米国との相対比較で、近い将来円高になると読むこともできるでしょう。
最近、外国債券や外国株式を投資対象とする投資信託を通じて、個人の金融資産の外貨建て比率が高まっているという話題がよく取り上げられます。一方で、現在主要通貨に対する円の水準は、実質的に80年代前半の円安水準と同等ともいわれています(※)。
(※)通常、為替レートは2通貨間の動きを捉えますが、総合的な為替水準を見るために、円と主要な他通貨間のそれぞれの為替レートを、日本と当該相手国・地域間の貿易などで加重平均して算出したものを「実効為替レート」といいます。
通常、為替レートは、例えば1米ドルに対して日本円が何円と表示されますが、この「実効為替レート(名目・実質)」は、日本円1円に対する外貨の価格を使用しています。このため、指数が大きくなった場合が「円高」、小さくなった場合が「円安」を示します。
ということは、もし為替市場が大きく円高に振れたら、最近投資した外国債券ファンドなどで評価損が発生するのでしょうか。もちろん、短期的には外貨の投資対象で運用している部分は少なからず影響を受けるでしょうが、現時点の日本人の金融資産の状況から考えて、仮に今後円高傾向が出てきたら、外貨資産の比率を増やすチャンスと捉えるべきではないでしょうか。
上のグラフをご覧になると、確かに最近は個人金融資産に占める外貨の比率が高まってはいますが、まだまだ極めて低水準です。個人によって金融資産に占める外貨の比率は千差万別でしょうが、もし比率が1~2割程度ならば、短期的な為替変動による評価損益に一喜一憂するのではなく、粛々と円高時には強い円で安くなった外貨を仕入れて、十分な外貨を適切に増やしていくことが、これからの日本人にとって必要な行動といえるのではないでしょうか。
FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 専務取締役/CFP®
福田 啓太
プロフィールとコラム一覧
1958年大阪府生まれ。
1981年日興證券株式会社入社。個人営業のあと、ポートフォリオ作成システムの企画、リテール営業の支援ツール開発、FP養成研修などに携わる。
1999年日興證券退社後、当社設立に参加。独立系FP・投資顧問としての投資アドバイス・各種コンサルティング、および企業における各種講演会講師を務めると同時に、ビジネスモデルとしての保険代理店+証券仲介業を運営している。一般紙、各種雑誌、日経文庫「はじめての株式投資」など執筆。早稲田大学ビジネス情報アカデミー専任講師。
1級FP技能士。CMA(日本証券アナリスト協会検定会員)。
※
本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。