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ポートフォリオ運用のかんどころ(1)~目標利回りを決める~
2007年7月9日
最近の年金記録漏れ事件など見ると、リタイア後の人生を安心して過ごすためには、公的年金にばかり頼っているわけにはいかないなとあらためて誰もが感じているところでしょう。しかし自助努力が必要といわれても具体的にどうしたらよいのかがよくわからないので、ますます不安になるというのが現状ではないでしょうか。必要なことは、なるべく早い時期に明確に目標を立てて、しっかり準備を始めるということです。そこでたとえば、以下のように考えてみてはどうでしょう。
「現在30歳、30年後の60歳時点で一応リタイアすると想定して、それまでに自助努力で3,000万円の資金を作る」
この目標を達成するためには、どの程度の利回りで運用するかを想定すれば、30年後に3,000万円を作るための月々の積立額が決まります。これは係数表の減債基金係数を使えば簡単に答えが出ます。
(1)のコースは、ほとんどリスクを取らなくても実現可能な利回り水準といえるでしょう。ただし毎月72,500円を営々と30年間積み立てなければなりません。(3)のコースは、積立額は(1)の半分ぐらいですみますが、5%運用を実現するためには相当の努力と工夫をしなければならないでしょうし、努力したからといって必ず実現するとも限りません。
どのコースが正しいかといったことではなく、ちょっとおおげさな言い方ですが、「生き方」の選択だと思います。今を多少我慢してでもより確実に将来に備えるのか、現時点の人生を十分楽しみつつ、将来にも備えるため不確実ではあるが努力をするのか、という選択を日本人は多かれ少なかれ迫られていると考えるべきでしょう。
ちなみに(1)のコースを具体的に考えると、もっとも手間がかからず確実に目標達成する方法は、一般の利付国債10年(新発もの)を満期まで保有し、2回乗り換えるということでしょう。30年の間、わが国がアルゼンチンのように財政破綻しなければ、税引き手取りで1%運用は問題なく実現できるでしょう
。 一方、(3)のコースでは、元本保証・確定利付きの商品だけでは実現は不可能です。何らかのリスクを取った運用をしなければなりません。そこで重要なことは「どの程度のリスクをどのように取るか」ということです。
結論は、ポートフォリオ運用ということになりますが、まだまだ個人の運用の現場で十分こなれた形でポートフォリオ運用が実行されている例はきわめて少ないと思われます。
このシリーズで、個人がほんとうに実行できて、しかも目標をより確実に実現していけるポートフォリオ運用の実際について考えていきます。
FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 専務取締役/CFP®
福田 啓太
プロフィールとコラム一覧
1958年大阪府生まれ。
1981年日興證券株式会社入社。個人営業のあと、ポートフォリオ作成システムの企画、リテール営業の支援ツール開発、FP養成研修などに携わる。
1999年日興證券退社後、当社設立に参加。独立系FP・投資顧問としての投資アドバイス・各種コンサルティング、および企業における各種講演会講師を務めると同時に、ビジネスモデルとしての保険代理店+証券仲介業を運営している。一般紙、各種雑誌、日経文庫「はじめての株式投資」など執筆。早稲田大学ビジネス情報アカデミー専任講師。
1級FP技能士。CMA(日本証券アナリスト協会検定会員)。
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。