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ポートフォリオ運用のかんどころ(2)~分散投資の目的~
2007年8月6日
前回、目標利回りの考え方についてお話しました。今回はまず、より具体的な目標利回りの設定方法をご紹介します。
以下のような団塊世代の方が運用のご相談にいらっしゃったとします。われわれはお聞きしたお客様情報を以下のような「キャッシュフロー表」にまとめ、ここから目標利回りを導出します。
運用利回り別の金融資産残高の推移をグラフにすると以下のようになります。
リタイア後の資産運用で、預貯金や個人向け国債などほとんどリスクを取らない運用だけでたとえば税引手取り1%だったとすると、子供への資金援助や自宅のリフォームを実行した場合、86歳で金融資産が底をつくことになります。したがって少なくとも3%以上の利回り水準を実現しないと「安心」を得られないことがわかります。これが金融資産全体に掛かる目標(必要)利回りとなるのです。
次に、目標利回りを実現するためのポートフォリオ運用について考えていきましょう。ポートフォリオ運用は、値動きの異なる複数の投資対象を組み合わせることによって、全体の収益のブレ(=運用リスク)を低減させることを目的におこなう運用手法です。この運用の対極に位置するのは、その時々もっとも大きな収益をもたらすだろうと思われるマーケットや投資対象に集中投資する手法です。後者は、予想が当たれば大きな収益をもたらしますが、予想が外れれば大きな損失が発生します。そして常に先行きの見通しを正確に予測し続けることは不可能です。したがって次善の策として前者の投資手法が浮かび上がってきます。特に個人の資産運用では、必要な額を必要な時期までにより着実に準備することを目的とするなら、なおさら前者の手法を選択すべきです。下表をご覧ください。
AポートフォリオとBポートフォリオの4年間の年平均利回りは同じく5%ですが、4年後の元本評価額を比べるとBポートフォリオが勝ります。これは、Aポートフォリオの3年目のマイナス20%が響いています。翌年20%収益を上げても元には戻りません。25%の収益を上げてやっと元に戻るわけで、収益の下ブレが起こると挽回に多大なエネルギーを費やして、運用の効率性が大きく損なわれてしまいます。それに比べて派手さはないのですが、Bポートフォリオのように収益のブレが小さいと複利効果を十分享受できるので、長期の運用では、ますます有利になります。このBポートフォリオ的な運用を目指すのが、ポートフォリオ運用なのです。
FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 専務取締役/CFP®
福田 啓太
プロフィールとコラム一覧
1958年大阪府生まれ。
1981年日興證券株式会社入社。個人営業のあと、ポートフォリオ作成システムの企画、リテール営業の支援ツール開発、FP養成研修などに携わる。
1999年日興證券退社後、当社設立に参加。独立系FP・投資顧問としての投資アドバイス・各種コンサルティング、および企業における各種講演会講師を務めると同時に、ビジネスモデルとしての保険代理店+証券仲介業を運営している。一般紙、各種雑誌、日経文庫「はじめての株式投資」など執筆。早稲田大学ビジネス情報アカデミー専任講師。
1級FP技能士。CMA(日本証券アナリスト協会検定会員)。
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。