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ポートフォリオ運用のかんどころ(3)~マーケットの大幅変動時~
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7月以降、各マーケットが大幅に変動しています。今回は、特別編として今般のマーケット変動を踏まえて、ポートフォリオ運用の効果を過去の局面で検証してみます。
まず、今回の原因および背景に、ヘッジファンドの存在があります。ヘッジファンドで思い出すのは、98年のロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の破綻でしょう。97年ノーベル経済学賞受賞者の2人の学者を含む「ドリームチーム」が、コンピュータを駆使して高度な理論を基に債券のアービトラージで安定かつ高水準のリターンを上げていました。しかし、97年のアジア、98年のロシアの金融危機に直面し、理論を超えたマーケット変動に直面し、破綻にいたりました。このときも世界の大手金融機関がこの巨大ヘッジファンドに多額の融資をしていたことから、金融システム危機を懸念して、FRBが3ヵ月間で3回FFレートを引き下げるという緊急措置を講じました。
では、この場面でポートフォリオ運用はどうだったでしょう。ポートフォリオの内容は以下の通りです。対象とするマーケットは、外国債券、国内株式、外国株式です。比率は50:25:25としました。データはポピュラーなベンチマークを使用しています。
ご覧のように、98年1月から運用をスタートしていた場合は、LTCM破綻の影響によって98年8月から10月まで3ヵ月間3つのマーケットがともに下落したにもかかわらず、ポートフォリオはわずかな元本割れを一時的に蒙ったに過ぎません。しかし、破綻直前にスタートしていたら、ポートフォリオも15%以上下げ、2年に渡って元本を上回れません。
では次に、大幅な下落をかなり長期間経験した時期はどうでしょう。グラフは、ITバブル絶頂期に運用をスタートしてしまった場合です。ポートフォリオの半分を占める日本と世界の株式市場は3年に渡って下落傾向が続きました。しかし、外国債券は金利低下と前半の円安傾向から値上がり傾向が続き、結果としてポートフォリオは最悪時でもマイナス8.5%で止まっています。
以上のように、ポートフォリオ運用といっても、スタートの時期によってはマイナスリターンを免れることはできない、つまり万能ではないことは認識しておくべきでしょう。しかし、次のグラフをご覧ください。ポートフォリオは万能ではないけれども、「時間」を味方に付けることができれば、最終的には「取り返しのできない失敗」を回避し、ある程度の結果を得ることはできるのです。10年間に2度の大きなマーケット変動を受けた98年から2007年前半までの期間を通してみたら、ポートフォリオの効果がよくわかります。
ポートフォリオの年率リターンはこの間、6.23%となっています。標準偏差で表したリスクの値は8.59%となっています。
このシリーズでは、リスクをコントロールして、リターンを安定させることを目的にしたポートフォリオ運用についての理解を深めていただきます。そのなかで、上記の標準偏差で表したリスクについても詳しく解説します。
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FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 専務取締役/CFP®
福田 啓太
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1958年大阪府生まれ。 1981年日興證券株式会社入社。個人営業のあと、ポートフォリオ作成システムの企画、リテール営業の支援ツール開発、FP養成研修などに携わる。 1999年日興證券退社後、当社設立に参加。独立系FP・投資顧問としての投資アドバイス・各種コンサルティング、および企業における各種講演会講師を務めると同時に、ビジネスモデルとしての保険代理店+証券仲介業を運営している。一般紙、各種雑誌、日経文庫「はじめての株式投資」など執筆。早稲田大学ビジネス情報アカデミー専任講師。 1級FP技能士。CMA(日本証券アナリスト協会検定会員)。 |
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。 |
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