前回は、米国サブプライムローン問題で市場が大きく動揺したので、特別編をお届けしましたが、本筋に戻ります。
今回は、キャッシュフロー分析によって決定した目標利回りの実現に向け、確実性を如何に高めるかについて考えます。前々回の例に出た団塊吾郎さんが目標とする3%(金融資産全体に掛かる目標利回り)はどうすれば実現できるかは、金融資産全体のバランスにかかっています。
まず、金融資産を資金性格別に4つに分けることから始めます。
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流動性資金
いざというときのために手元に置いておきたい資金。
一般的には生活費の3か月分が目安といわれるが、個人によって千差万別。
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使用予定資金
おおむね5年以内に使うことが決まっているか、使う可能性の高い資金。住宅購入
の頭金または住宅リフォーム費用、自動車買い替え資金、海外旅行費用など。
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安定運用資金
元本の安全性を第一に考え、安定運用をすべき資金。 |
| (4) |
積極運用資金
ある程度の収益性を求め、積極運用をすべき資金。 |
流動性資金の場合、安全性と流動性を重視しますので、運用商品は普通預金や
MRFなどが考えられます。使用予定資金も安全性と使用期限までに必ず流動化されなければならないので、定期預金や中期国債などが対象と考えられます。安定運用資金は、国債などの国内債券が中心と考えられます。積極運用資金は、個別株を含む国内株式関連の運用商品、外貨建ての運用商品が対象と考えられます。
安定運用と積極運用のバランスは、スポーツにおける守りと攻めに例えると意味がはっきりします。やみくもに攻めるだけでは、裏を取られると簡単に点を取られて負けてしまいます。かといって全員守りを固めているだけではいつまで経っても点は取れません。運用でも同じで、やみくもに高いリターンを狙いにいったら、思惑が外れるとダメージが大きい、元本の安全性だけにしがみついているとまともな運用収益は得られないということです。運用でも守りと攻めのバランスが重要となるのです。
そこで、そのバランスを考えるに当たって、下表のような年齢と金融資産額の条件から、安定運用と積極運用のバランスを示したマトリックス図を参考に決める方法が紹介されることがあります。しかし、これでは「なぜ積極運用部分が○○%なのか」という点がいまひとつ納得性に欠ける傾向があります。そこで、積極運用部分の「必要利回り」から全体のバランスを決定する方法を考えてみましょう。
流動性資金、使用予定資金、確実性資金の運用商品を考えて、期待できる利回りが仮に1%程度だとすると、金融資産全体で3%の利回りを実現するためには、積極運用部分をどの程度にするかによって、積極運用部分の必要な利回りが決まります。
Bポートフォリオのように、積極運用部分を40%にすると、必要利回りは6%になります。必要利回り6%に比べて11%は実現の確実性において格段に劣ります。このように、安定運用部分の割合が多いほど、積極運用部分の必要利回りは高くなる(確実性が低下する)ことを考慮して、安定:積極のバランスを検討する方法が、現実的な方法といえるのです。