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バランスチェックで、賢いファンド選び
2006年11月27日
アナウンサー時代、健康番組を担当していたことがあります。当時、βカロチンという成分がガンに効くと評判になったのですが、実験用のネズミに大量投与したところ、かえってガンが発生したという皮肉な研究結果が海外で出されたのを覚えています。健康に良いからといって、そればかり偏って摂取するのは良くないというわけです。
健康管理と資産管理は似ているところがたくさんあります。健康面では、栄養バランスを考えた食事をとることが大切とされていますが、資産運用も同様です。三大栄養素ならぬ四つのアセット(資産)~国内株式、海外株式、国内債券、海外債券~に分散投資するのが基本。さらに不動産やコモディティ、デリバティブなど、値動きの違う要素をとりいれれば、高い効果を得ることが期待できます。
そこで注目されているのが、バランスファンド。少額の資金で、手間なく、世界中の株や債券に分散投資できるという意味では、投資信託のメリットをもっとも発揮している商品と言えるでしょう。ただし、値動きの異なるアセットに資金を分散するので、ボラティリティ(値動きの変動幅)が小さくなる一方、'儲かりにくい'とも言われています。たしかに日本株ファンドやエマージングファンドのように、短期間に急騰して手っ取り早く利益を得られる可能性は少なく、どちらかというと地味な存在です。しかし最近の実績を見ると、年10%を超える利回りをあげている商品も少なくありません。「72の法則」(注)で知られるように、7%程度で複利運用できれば、10年でお金を2倍にすることができるのです。預貯金金利では物足りないけれど、中核となる資産を託すにふさわしい安定感を優先するなら、バランスファンドは王道の選択と言えるでしょう。実際、多くの金融機関が、多額の退職金を手にする団塊世代向けに準備した商品の中核には、バランスファンドが据えられているようです。
既にある程度の投資経験があるという人には、アラカルトの形で自前のバランスファンドを作るのも一法です。今ある資産の中身を吟味して、足りない成分(=アセット)を補っていくという方法。たとえば、預貯金と個人向け国債、日本株を持っているなら、不足している外国株ファンドや外債ファンドを買い足すのがいいでしょう。毎月分配型の外債ファンドに投資しているなら、次は日本株や外国株式に投資するファンドやREITを加えるといった具合です。こうすることで、あなたの資産全体が、1本の「バランス型ファンド・オブ・ファンズ」となって、見事な国際分散投資が実現します。
金融機関のおススメファンドを聞く前に、自分の資産の健康チェックを行って、どんな成分が不足しているか、何を加えればバランスがとれるのか、把握することが大切です。
(注)72の法則とは:
「72の法則」とは、元金を2倍に増やすのに複利運用で何年かかるかを計算できる式のことです。
72を利率で割ると、元金を2倍にするのに必要な年数が算出できます。また、運用年数で割ると、必要な利率が算出できます。
72÷7%=約10年 72÷10年=約7%
株式会社プラチナ・コンシェルジュ 代表取締役/生活経済ジャーナリスト/CFP®
和泉 昭子
プロフィールとコラム一覧
横浜国立大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。 NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。
95年CFP®(ファイナンシャル・プランナー上級資格)取得後、現職へ。現在は、メディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー&キャリアの情報を発信。
・テレビ、ラジオのコメンテータ
・新聞、雑誌、書籍の執筆、監修
・企業、労働組合、金融機関、地方公共団体などが主催する
他、講演、セミナー、パネルディスカッション、研修など多数
※
本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。