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保有資産の「相関」を考慮しよう!
最近、退職金を手にした団塊世代の方のポートフォリオ(資産の内訳)を拝見する機会が重なりました。統計をとるほど多くのケースを把握しているわけではありませんが、保有株式欄に「トヨタ自動車」、投資信託欄に「インデックスファンド」と並んでいる事例に複数出会い、いかにも「ありがち」だと思いました。
マネー雑誌などの企画で、「初めて投資するなら、どんなものがいいですか?」と聞かれることがよくありますが、私自身も含め多くのファイナンシャル・プランナーが、典型的な例として、日本を代表する企業であるトヨタ自動車や、日本経済の動きに連動するインデックスファンドを例にあげることが多いからです。
実際、トヨタやインデックスファンドが初めての投資対象にふさわしいかどうかは別として、仮にそれぞれがベストであれば、両方買うことでポートフォリオは最強になるのでしょうか。
分散という観点から言えば、答は「NO」です。
ここで問題になるのが、「相関」という考え方。2つの事象の関わりの度合いを表すものです。
「正の相関」があるといえば、AとBが同じ方向に動くこと、「負の相関」はAとBが反対方向に動くこと、そして「無相関」は両者に直接的な関係がみられないことをさします。
イメージ図であらわすと、以下のようになりますが、両者の関係の度合いをより明確にするために、数字で表す方法があります。これが「相関係数」と言われるものです。相関係数(r)は1から-1の間の値を取り(1≧r≧-1)、0より大きければ(1>r>0)正の相関(1に近いほど正の関わり方が強い)、0より小さければ(0>r>-1)なら負の相関(-1に近いほど負の関わりが強い)、r=0なら無相関となります。
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ここで、インデックス(TOPIX)とトヨタ自動車の株価の相関係数を計算してみると、0.81という高い相関が見られます(期間は1997年7月~2007年6月、分割による調整後数値を使用)。つまり両者はほとんど同じ値動きをするということ。言い換えれば、二つを別々に持つ意味はあまりないということですね(トヨタ自動車の時価総額は非常に大きいので、相関係数を計算するまでもなくインデックスとの相関の強さは想像できますが…)。
もし、既にトヨタの株式を持っているのに、日本株のファンドを買い増すのであれば、インデックスファンドより、小型株ファンドのほうがいいかもしれません。また、海外に目を向ければ、外国債券は日本株と負の相関関係にありますから、毎月分配型の外債ファンドと組み合わせというのはアリかなと思います。
ここではトヨタ自動車を例にとりあげましたが、これはあくまで参考例です。
お伝えしたいのは、「良い」と言われるものを、ただ近視眼的に購入しているだけでは、こうした落とし穴にはまるということ。それは投資信託という商品群の中だけでなく、個別に投資している株式や債券も含めて考える必要があるということ。さらに言えば、変額年金保険や確定拠出年金の枠を通じて投資しているものも含めて、保有している商品同士の相関を考慮することが、一歩進んだ資産管理の方法です。
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株式会社プラチナ・コンシェルジュ 代表取締役/生活経済ジャーナリスト/CFP®
和泉 昭子
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横浜国立大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。 NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。 95年CFP®(ファイナンシャル・プランナー上級資格)取得後、現職へ。現在は、メディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー&キャリアの情報を発信。
・テレビ、ラジオのコメンテータ ・新聞、雑誌、書籍の執筆、監修 ・企業、労働組合、金融機関、地方公共団体などが主催する 他、講演、セミナー、パネルディスカッション、研修など多数 |
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。 |
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