最近、運用セミナーの席などで、私自身が実際に買ったり、買いたいと思っているファンドは何かという質問が続きました。いわゆる「オススメファンド」は、投資の目的や経験などによって異なるので、「あなたならどうするか」と限定することで、より具体的な話を引き出そうと考えたのでしょう。そこで、今回は私自身が最近注目しているジャンルとその理由についてご紹介します。
私が今、最も興味をもっているのは、
エネルギー&資源関連のファンドです。注目の理由は以下の3つ。
(1)資源高は中長期的に見ても世界の潮流であること
(2)インフレへの生活防衛につながること
(3)ポートフォリオをより効率的かつ強固にしてくれること、です。
たとえば人口の4割を占めるBRICs諸国の人たちが、先進国と同じように肉を食べるようになったら、たちまち世界中が食糧不足になると言われています。足りなくなるのは食糧だけではありません。急速な経済発展と生活水準の上昇で、原油や金をはじめとする、限りある資源が奪い合いとなるのは、誰の目にもあきらかでしょう。
ここ数年の資源高の背景もこの点にあるわけですが、投資家の中には「既に出遅れでは?」と見ている方もいらっしゃるでしょう。確かにサブプライムローン問題に揺れるアメリカの経済が減速すれば、新興諸国も少なからず影響を受けることになると思います。しかし、中国やインドといった大国の経済は、既に外需だけでなく、国内の需要増によっても支えられているので、成長率の減速はあったとしても、それほど基盤が脆いとも思えません。これについては、どのくらいの期間でどの程度の利回りを目指すかという「投資スタイル」によって判断が異なるところですが、私自身は一貫して、日本株を売った資金を、若くて資源を持つ国々への投資に振り向けています。
資源高は日本国内の生活にも影響します。最近は、原油や砂糖、魚介類の価格が上昇といったニュースが頻繁に報道されるようになりました。エネルギーの9割、食糧の6割を海外に依存している日本では、国内景気とは無関係にインフレが起こる可能性もあるわけです。こんなとき、資源関連のファンドに投資しておけば、自分の資産が増え、生活防衛の手段となり得ると考えています。
資源関連のアセットを組み込むことは、ポートフォリオの強化もつながります。下記の表は、運用の基本となる4資産(国内株式・国内債券・外国株式・外国債券に25%ずつ)に分散投資した場合と、さらにある資源関連ファンドを加えて5資産(20%ずつ)を加えた場合のリスク・リターンを表したものです。これを見ると、4資産の年率リターンは7.79%、リスク(年率標準偏差)は6.92%なのに対し、5資産のリターンは11.98%、リスクは7.77%となります。リスク1単位あたりのリターンを計算した場合、前者は1.13、後者は1.54となり、5資産の運用効率が上がっているのがわかります。
資源関連ファンドは設定されて間もないものが多く、分析対象となる期間が短いため、どんな場合も絶対有効とは言い切れませんが、値動きの異なる資産を数多く組み合わせたほうが、運用効率が高くなるというのは運用の大原則でもあります。