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投資の制約
2007年12月3日
先日、ある個人投資家の方に、「たとえば新興国の経済が伸びるという状況であれば新興国への投資を増やせばいいのに、どうしてこのバランスファンドにはBRICs諸国が入ってないのでしょう?」と聞かれました。世界中に分散投資するのがバランス型なら、成長著しい新興国の企業にもっと積極投資すればいいのに、と考えたようです。
たしかに「バランスファンドは世界中の株や債券に分散投資する」と説明されます。しかし、ありとあらゆる資産に、自由に投資できるというわけではなく、商品ごとに一定の制約が課せられているのが一般的。「投資信託はファンドマネージャーに運用を任せるもの」ではありますが、担当者が好き勝手に投資できるわけでもないのです。
従来、バランスファンドは、伝統的な4資産(国内債券・国内株式・外国株式・外国債券)または6資産(4資産+国内外のREIT)に投資するものが主流でした。ここでいう海外の株式や債券は、原則的に先進国や高格付けのものが中心。そのため、仮に新興国が有望というシナリオがあったとしても、予め決められた投資対象に入っていなければ、投資することはできません。
またバランスファンドは、国内株式や外国債券といったカテゴリーごとの複数のファンドを組み合わせた「ファンド・オブ・ファンズ」となっているものが多く、そこに組入れるファンドの種類も決められているのが普通です。
さらに、ファンドの運用スタイルには、マクロ的分析により、まず国やセクターごとの配分を決め、その上で具体的な組入銘柄を決める「トップダウンアプローチ」と、魅力的な個別銘柄を積み上げる形でポートフォリオを構築する「ボトムアップアプローチ」があります。トップダウンアプローチをとっている場合、たとえばある企業がどんなに魅力的な場合でも、その国やセクターが対象外であれば、選定されることはありません。
ポートフォリオマネージャーの裁量の幅も、商品によって大きく異なります。相場動向に応じて比較的自由に配分を変更できるファンドがある一方、ベンチマークとなるポートフォリオに対して上下5%の範囲内といった制約があるものも。なんとも不自由に見えますが、これは運用会社のリスクマネジメントの一環でもあるわけです。
バランスファンドに限らず、どの投資信託も、コアとなる運用哲学に基づいた投資方針や投資制限が定められ、厳格なルールに従って実際の運用が行われています。これらの情報は、目論見書や運用会社のホームページ、マネー誌やマネーサイトのファンドマネージャー・インタビューなどから得ることができますので、注意して見ておくといいでしょう。
株式会社プラチナ・コンシェルジュ 代表取締役/生活経済ジャーナリスト/CFP®
和泉 昭子
プロフィールとコラム一覧
横浜国立大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。 NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。
95年CFP®(ファイナンシャル・プランナー上級資格)取得後、現職へ。現在は、メディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー&キャリアの情報を発信。
・テレビ、ラジオのコメンテータ
・新聞、雑誌、書籍の執筆、監修
・企業、労働組合、金融機関、地方公共団体などが主催する
他、講演、セミナー、パネルディスカッション、研修など多数
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。