|
|

注目の環境ファンド、ここに注意
|
今や環境問題はビジネスチャンスの代名詞。環境をテーマに据えたファンドも続々と登場しています。しかし、一口に「環境ファンド」といっても内容はさまざま。コンセプトから大別すると、以下の3つに分けられます。

(1)は、いま注目の温暖化防止に特化したタイプ。洞爺湖サミットでも、2050年までに温暖化ガスを半減することを世界全体で共有し、「革新技術の開発と展開を促進する適切な措置をとる」という首脳宣言が採択されました。
具体的には、太陽光発電や風力発電といった自然界の現象を利用した「再生エネルギー」や、排出されたガスを埋める「地下貯留」、「排出量取引*関連ビジネス」などが主な投資分野となっています。ただし、テーマを絞り込んでいる分、対象となる銘柄ユニバースが少なく、運用サイドの自由度が小さいのがネック。一つのイベントに対する各銘柄の値動きも似る傾向があるので、分散が働かず、ボラティリティが大きくなる傾向があります。
これに対して(2)は、より広いテーマで運用するタイプ。水や資源、食料など、環境というより「自然」という枠組みのほうが似合いそうなテーマを設定し、幅広く投資しています。こちらは(1)に比べて対象銘柄が多くなるので運用の自由度は高まりますが、既に別のファンドで、水や食料等の関連銘柄を保有している場合は、投資対象が一部重複するかもしれません。
(3)は、環境ビジネスのみならず、省エネや社内リサイクルなど、環境保全に積極的に取り組む企業を含めて投資するタイプ。今後は世界的な枠組みに従って、国ごと→業界ごと→企業ごとに、温暖化ガスの削減目標が課せられ、達成できない企業は排出量取引などで負担を強いられることに。そうした意味では、企業の業績と環境への取組みは、相関が高まる傾向と言えるでしょう。ただし、2000年前後にブームとなったエコファンド同様、ふたを開けたら、一般的な国内大型株ファンドと大きな違いがないといったケースもあるので、投資銘柄のチェックは欠かせません。
時流にのって設定されるテーマファンドは、イメージ先行で選ばれる傾向がありますが、前述のように商品ごとの運用方針や対象は大きく異なります。購入にあたっては目論見書や運用報告書で資産クラスごとの配分やベンチマークを確認し、自分が考えている内容と一致しているか否かを確認しましょう。また、一般的にテーマファンドは、ブームにのった短期的資金が流入し、価格の変動が大きくなる傾向があります。しかし、環境問題は数十年単位で取組み続ける遠大なテーマですから、投資する上でも長期で見守る心が大切です。
*目標の排出枠より温暖化ガスを多く排出する国や企業と、目標より減らせた国や企業との間で、余った排出枠を売買する仕組み
|
 |
 |
株式会社プラチナ・コンシェルジュ 代表取締役/生活経済ジャーナリスト/CFP®
和泉 昭子
|
|
横浜国立大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。 NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。 95年CFP®(ファイナンシャル・プランナー上級資格)取得後、現職へ。現在は、メディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー&キャリアの情報を発信。
・テレビ、ラジオのコメンテータ ・新聞、雑誌、書籍の執筆、監修 ・企業、労働組合、金融機関、地方公共団体などが主催する 他、講演、セミナー、パネルディスカッション、研修など多数 |
|
|
 |
| ※ |
本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。 |
|
|
|