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インフレに強い金融商品
2008年9月1日
例年8月は、外国人投資家がバケーションに入ることもあって相場がパッとしませんが、今年は典型的な夏枯れの様相。さらに、好調と言われたユーロ圏で、95年の調査開始以来始めてマイナス成長となるなど、「日米欧同時不況」の様相が強まるというニュースが出ています。一方、日常生活に目を転じれば、食料品や原油の値上がりなどで生活はじわじわ苦しくなっており、「スタグフレーション~不況下での物価上昇」に対する備えが求められています。
このような状況下で、地味だけど意外といいかも・・と注目しているのは、「物価連動国債連動ファンド」。その名のとおり、「物価連動国債」の値動きに連動する投資信託です。
物価連動国債は、インフレ率によって価格が動く国債のこと。日本では、「CPI(全国消費者物価指数~生鮮食品を除く総合指数)」に連動する期間10年の国債が発行されています。通常の固定利付国債は、元本とクーポンの利率が固定されているので、物価が上昇すると、実質的な債券の価値は低下します。これに対して物価連動国債は、クーポンの利率は固定されているものの、物価が上昇すると元本が増加するため、償還額はもちろん、利払いの額も増加することになるのです。
物価連動国債は、特に、インフレ率が上昇し、実質金利が低下する局面で有利になります。これは、まさに今の日本~CPIは上昇(今年6月の消費者物価指数は102.0、前月比0.4%、前年同月比1.9%上昇)しているにもかかわらず、景気が芳しくないため、日銀が利上げに踏み切れずにいる状況と言えるでしょう。さらに、先月の内閣改造で、消費税増税が近づいている感があり、現実のものとなればCPIは大きくアップするでしょう。
物価が下がったときの元本の保証はありませんが、株式のような大きな値動きはありません。また、通常の固定利付国債と比べても値動きが小さいと言われています。
物価上昇に強い投資先としては、金や原油、穀物といったコモディティや資源国も挙げられますが、リスクが大きいため、それほど多く資金を配分することは難しいでしょう。これに対して、リスクの小さい物価連動国債であれば、ポートフォリオの中核に据えることも可能となります。ただし、残念なことに、物価連動国債は直接個人が購入することはできないため、ファンドを活用することになるわけです。
ちなみに物価連動国債は、日本だけでなく、アメリカやヨーロッパの国々でも発行されています。世界的・中長期的なインフレ対策として、国内と世界の両建てで準備するのもいいですね。
株式会社プラチナ・コンシェルジュ 代表取締役/生活経済ジャーナリスト/CFP®
和泉 昭子
プロフィールとコラム一覧
横浜国立大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。 NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。
95年CFP®(ファイナンシャル・プランナー上級資格)取得後、現職へ。現在は、メディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー&キャリアの情報を発信。
・テレビ、ラジオのコメンテータ
・新聞、雑誌、書籍の執筆、監修
・企業、労働組合、金融機関、地方公共団体などが主催する
他、講演、セミナー、パネルディスカッション、研修など多数
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。