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「ピンチとチャンスの中での分散投資」

私のホームページ「コレモナニカノ円」に「お金の流れを知るということは、世の中の流れを知る」と書いている。お金の流れはモノの流れの逆を行く。したがって、お金の流れを知れば、モノの流れ、トレンド、そして世の中を知ることになっていくことになる。そうしたお金が、今、いくつかの資産に流れている。
特に、原油や金といった商品市況の値上がり、また豪ドル円といった資源国通貨も堅調に推移している。
さて、最近のお金の流れの裏には「ドルキャリー取引」の存在があると云われている。ドルキャリー取引というのは、金利の安いドルで資金を調達し、そのドルを売って利回りの高い資産に投資をしていくものである。
したがって、この取引が活発に行われることによってドル安が進行する可能性が高いことになる。つまり、ドル安が進行するのと同時に投資資産が値上がりするという関係が見られることになる。
添付したチャートを見ていただきたい。直近3ヶ月間のドル円とロンドンの金の動きをグラフにしたものである。見事に負の相関関係になっているのがわかる。ドルが下落しているのに反して、金の価格が上昇している。実は、原油などの他の資産も同様な動きがみてとれる。
すなわち、ドルが売られ、他の資産が上昇する「ドルキャリー取引」が行われていると言ってもいいのであろう。そうなると、このドルキャリー取引は今後も続く傾向にあるのか否か、が気になるところである。
それは、米国の低金利政策が続くのか否か、という問題でもある。米国経済は、改善を示す指標もあるが、反面、消費支出が落ち込むなどのマイナス面もあるといった状況で、不透明感が続いている。そういう状況を見越してか、政府高官等からは「低金利政策は継続される」という趣旨の発言が聞かれている。
であるならば、もうしばらく低金利状態は続き、ひいてはドルキャリー取引も続く可能性があると考えても良いのではなかろうか。
ドルキャリー取引が続くとなればドル安円高状態が続く可能性が高いことになるが、これはどちらかと言えば、日本経済にとってマイナスになることの方が多い。日本には輸出関連企業が多いからだ。他の資産が堅調に推移する中、ドル安進行で日経平均株価が軟調な展開になっているのにも納得がいく。つまり、円高は日本経済にとってはピンチとなる。
しかし、このピンチを積極的に利用しようではないか。円高が続くのであれば、この円高を利用した資産運用を考えようではないか。そこで注目するのが外貨建て資産である。FXをはじめ外貨建て関連の投資信託などの外貨建て資産への投資は円高局面で投資をして、円安局面で回収するのが理想である。つまり、この円高局面というのは外貨建て資産に投資をするチャンスととらえていいのではなかろうか。
しかも、外貨建て資産というのは収益が2重構造になっている。資産自体の収益と為替の収益とからなる。円高局面で投資が出来たのであれば、資産の収益と含めてダブルで収益を得るチャンスであるのかもしれない(もちろん、リスクがあることは云うまでもない)。
であるならば、外貨建て資産への投資比率を上げてもいいのではなかろうか。もともと日本人の外貨建て資産の投資比率は低い。ここは、国内、海外の比率も含めた分散投資を再考するチャンスなのかもしれない。
*(尚、本書の内容についてドリームバイザー社は一切責任を持ちません)
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経済評論家
川口 一晃
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ファンドマネージャーを経て、現在は経済評論家として活躍。 03年からはラジオ番組『ドットコムマネー塾』(ニッポン放送)のパーソナリティとしても人気を集める。著書は、『儲けるための株価チャート練習帳』(角川書店)ほか多数。 |
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。 |
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