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少子化・人口減少と日本社会
2006年12月18日
私たちの資産や生活を取り巻く環境変化として、今回は人口と経済社会について考えてみましょう。
40年前に30億人だった世界人口は、現在では65億人となり、今後も毎日20万人のペースで増え続け、2050年には96億人になるとの予測に前回触れました。一方、日本の総人口は2005年には1億2,777万人で前年より2万2千人減り、戦後初めて減少に転じました。日本はいよいよ人口減少時代に突入し、このままでいくと2050年には9,000万人台にまで減少すると推測されています。15歳未満は1960年には3人に1人だったのが、現在では7.3人に1人で、65歳以上の高齢者は20人に1人だったのが、現在では5人に1人となり、確実に少子高齢化が進んでいます。団塊世代が生まれた1947-1949年頃の日本の出生率は4.3人でしたが、晩婚化や非婚化の流れから昨年は1.25人までに低下し、公的年金制度の前提としている1.39人を大きく下回りました。人口増加を前提に構築されてきた日本のシステムは、人口減少社会に転じたことで維持することが困難になり、公的年金制度の健全化や生産年齢人口減少による労働力不足への対応のために、システムの根幹からの見直しを迫られています。少子高齢化が日本の社会や経済、地域に与える影響はかなり大きいのです。
日本が人口減少社会となる一方、米国では出生率が2.05人と高くなっています。移民制度も追風となり、人口は毎月20万人ほど増加し、今年10月には3億人を突破しました。2050年に日本の人口が9,000万人程度に減る頃、米国は4億人を超える見込みですから、日米の人口比は現在の「1対2.3」から「1対4.4」に拡大します。経済の規模を示す国内総生産(GDP)は個人消費が約6割と大きな割合を占めています。人口が減ると消費も減るため、アメリカとの経済格差も、今後拡大すると考えておかしくありません。 また、労働力が減少するのでGDPが停滞し、日本の国力が低下すれば、経済の強さが為替にも影響するので、中長期的に為替は円安ドル高になることも考えられます。その結果、輸入物価が上昇して、現在のように輸入に依存した暮らしは成り立たなくなります。
最近になって「外貨建資産への投資」の流れがでてきましたが、日本人の資産はまだ大部分を「円建て資産」が占めています。日本は、食糧の60%やエネルギーの大部分など生活資材を輸入に頼っており、円安の影響は私たちの暮らしを直撃するので、何らかの対策が不可欠です。経済が右肩上がりの「増える時代」には、何もしなくても資産を増やすことができました。不動産を買えば値上がりし、預金をすれば高い利息が期待できました。しかし、今は「増えない時代」です。増えない時代には自助努力で増やしていかなければなりません。資産運用などの努力を何もしないということは、逆にリスクとなるのです。今後予想される資源インフレや海外との経済格差による円安などの対策のためにも、個人資産の国際分散投資がますます重要になります。日本人は直面する環境変化にもっと敏感になり、危機意識をもって自己の資産を守る工夫と努力をしていかなければなりません。
株式会社FPインテリジェンス 代表取締役/CFP®/税理士
白根 壽晴
プロフィールとコラム一覧
1954年東京都生まれ。77年早稲田大学法学部を卒業後、住友電気工業㈱を経て83年に税理士登録。資産運用アドバイスに強いファイナンシャルプランナーとして定評がある。「定年後のお金 全疑問45」(東京書籍)や「会社にも自分にももっとお金を残す本」(かんき出版)など著書も多数出版。全国の大学、金融機関などで分かり易い講演を行なっている。現在、日本ファイナンシャルプランナーズ協会専務理事としてマネー教育の普及にも努めている。
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。