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インフレ抵抗力のある資産設計を
2007年7月23日
私たちの生活や資産を取り巻く環境変化は、生活設計や資産設計に大きな影響を与えます。ゆとりある生活を長期間続けるためには、環境変化に対応できる資産設計が必要です。1990年代に日本はデフレに突入し、物価が下がりましたが、所得の減少や失業の増大、債務負担の増加などマイナスの影響も及ぼしました。私たちは物価安定に慣れきっていますが、歴史をみてもわかる通り景気は循環し、インフレとディスインフレは繰り返し訪れるものです。インフレになったとき、あなたの大切な資産は大丈夫ですか。今回はインフレ抵抗力のある資産設計について考えてみましょう。
インフレ経済では、物やサービスの価格が値上がりし、金融資産の価値が目減りします。預貯金の実質的価値が下がるため、金融資産の半分以上を預貯金で保有する日本人の生活への影響は大きくなります。債券は保有期間中の利率が固定されているので、受取利子の経済的価値が低下することになります。また、生命保険は原則として契約締結時に取り決めた保障額しか支払われないので、変額保険や変額年金保険など株式等でも運用している場合を除き、一般にインフレに弱い資産と考えられます。
しかし、元本が保証された預貯金、価格変動が株式に比べて小さく安定的に収入が得られる債券、万一のための保障としての生命保険は、個人が資産運用を考える上では重要な役割を果たしています。そこで、これらの基本的資産に不動産や金、株式や株式投信、不動産投信、外貨建資産などインフレ抵抗力のある資産をバランスよく加えることが大切になります。
インフレに強い金融商品の代表選手は株式と思われます。一般的にインフレになると商品やサービス価格も上昇し、売上高や資産などが増えて株価が上昇傾向となります。また、過去の記録では、株式はインフレ率を上回る値上がり率であったことからも、インフレ抵抗力があると期待されています。ただし、インフレにより株価にマイナスの影響を受ける企業もあるため、個別銘柄の選択が難しい場合には、株式投資信託やインデックスファンドなどを利用するのもよいでしょう。あくまでも基本は環境変化に対応するための長期運用です。
不動産も実物資産なので、インフレに強い資産と考えられます。インフレ時には価格・賃料とも上昇する傾向があり、資産価値が増加します。しかし、そもそも不動産は取引金額が多額になり、空室リスク、保有コストの問題や換金性に乏しいといった欠点があります。加えて、日本全体が人口減少社会になったために個別選択が難しくなりました。そこで不動産投資信託ならば、金融商品としての性格を持ち、組入物件の分散投資効果もあり、換金性にも優れ、インフレにも強い資産といえます。世界中には米国、カナダ、オーストラリアなど人口増加地域もあるので、海外物件に投資する不動産投資信託も考えられます。
さらに、円安によるインフレも考えられます。日本の食料自給率はカロリーベースで40%、穀物だけなら28%しかなく、大部分が輸入です。エネルギーでは、その96%を輸入に頼っています。円安になると輸入依存の私たちの生活は打撃を受けることになります。今後、天然資源が枯渇し資源価格の高止まりが考えられるため、資源国通貨建の資産に投資するなど、円建資産だけで資産設計するリスクを回避するためにも、資産の一部を外貨建で持つ必要があります。
健康で生きがいを持ち、経済的基盤がしっかりしていれば、安心して暮らしてゆくことができます。そのためには、今後の環境変化をしっかりと捉え、ご自身の資産設計を折りに触れて見直す必要があります。国際分散投資と長期運用の視点に立って、インフレなどにも負けない資産設計を行い、豊かな生活を実現しましょう。
株式会社FPインテリジェンス 代表取締役/CFP®/税理士
白根 壽晴
プロフィールとコラム一覧
1954年東京都生まれ。77年早稲田大学法学部を卒業後、住友電気工業㈱を経て83年に税理士登録。資産運用アドバイスに強いファイナンシャルプランナーとして定評がある。「定年後のお金 全疑問45」(東京書籍)や「会社にも自分にももっとお金を残す本」(かんき出版)など著書も多数出版。全国の大学、金融機関などで分かり易い講演を行なっている。現在、日本ファイナンシャルプランナーズ協会専務理事としてマネー教育の普及にも努めている。
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。