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不動産投資信託(REIT※)の魅力
2007年9月14日
不動産投資とは、ビルやマンションなどの不動産から受け取る賃料収入や、売却益を目的に行う投資のことで、資産運用手段として大都市圏を中心に地価が底打ちから上昇に転じて来た昨今、注目されています。給与や年金収入以外にも家賃収入があれば、インフレにも心強いと考えて投資する人もいます。不動産を購入する「現物投資」は、通常数百万円以上の多額の資金が必要になります。また、実際の建物所有には、空室リスク、地震・火災など様々なリスクがあり、換金性・流動性も低いため、人口減少社会の日本では、今後も都心の一等地など一部地域を除き、不動産需要の低下が続くと見込まれます。
そこで、不動産に投資する方法として、比較的小口資金で投資しやすい不動産投資信託(REIT)があります。REITとは、投資家が出資した小口資金を、大きな資金にまとめ、これと金融機関からの借入金で、オフィスビルやマンション、商業施設など複数の不動産を購入し、賃料収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。比較的安定した配当が期待でき、少額資金で始められるところが魅力です。
REITには、会社型と契約型があり、現在東京証券取引所に上場されているものはすべて会社型です。会社型では、資産運用のための投資法人が設立されます。資産の運用・保管・一般事務を外部に委託することが義務付けられているため、これらの業務は委託された各分野の専門家が行います。投資法人は、株券にあたる「投資証券」を発行して、投資家から資金を集め、その口数に応じて分配金を支払います。投資証券は、証券取引所に上場しているので、株式と同様に売買できます。配当可能利益の90%を投資家に分配すると、法人税が非課税となる制度なので、2~6%と相対的に高い分配利回りが期待できます。平成13年9月に2つの投資法人が初めて登場して以来、その数は飛躍的に増え、平成19年8月末日現在、上場投資法人は41社に達しています。
REITの価格は基準価格と呼ばれ、毎日変動し、株価と同様に新聞等で確認することができます。価格変動リスクがあるので、基準価格が購入価格よりも値上がりする楽しみがある一方、値下がりや元本割れも考えられます。また、分配金は、現在までは比較的高い利回りを維持していますが、賃貸収入や借入金利負担、売却損益などの事業環境次第で増減します。現物投資のように不動産特有の空室リスクや地震・火災などのリスクも影響します。しかし、多数の不動産に投資しているので、ひとつの不動産に投資する現物投資に比べてリスクも分散されます。課税上、譲渡益は譲渡所得として平成20年12月31日までは10%(所得税7%・住民税3%)、分配金は配当所得として扱われ、平成21年3月31日までは10%(所得税7%・住民税3%)の源泉分離課税の優遇税率が適用されます。
さて、一口にREITといっても投資対象毎に様々なタイプがあります。例えば、オフィスビル、商業施設、住宅などに特化して投資するタイプやこれらを組み合わせて投資するハイブリッドタイプなどです。そのため、投資対象不動産によって、将来の収益に大きな差が生じる可能性があります。個別REITのリスクをさらに小さくするために、上場しているREITをいくつか組み合わせて分散投資する「不動産投信ファンド」も販売されており、1万円程度から購入が可能です。これらの中には、日本と異なり人口が増加している国々のREITを含むものもあり、商品の選択肢は広がります。
不動産は株式や債券との相関性が低く、実物資産としてインフレ抵抗力もあるため、ポートフォリオの一部にREITを加えることで分散投資効果をより高めることができると考えられます。
※REITとはReal Estate Investment Trustの頭文字を取った略称です。
株式会社FPインテリジェンス 代表取締役/CFP®/税理士
白根 壽晴
プロフィールとコラム一覧
1954年東京都生まれ。77年早稲田大学法学部を卒業後、住友電気工業㈱を経て83年に税理士登録。資産運用アドバイスに強いファイナンシャルプランナーとして定評がある。「定年後のお金 全疑問45」(東京書籍)や「会社にも自分にももっとお金を残す本」(かんき出版)など著書も多数出版。全国の大学、金融機関などで分かり易い講演を行なっている。現在、日本ファイナンシャルプランナーズ協会専務理事としてマネー教育の普及にも努めている。
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。