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平成21年度の改正証券税制の概要
2009年1月26日
平成20年12月12日、自民・公明両党から平成21年度税制改正大綱が発表されました。平成20年秋口から世界経済は大きく混乱し、景気後退局面に入りました。そこで、今回の税制改正大綱では我が国の景気回復を最優先課題として掲げ、内需拡大を図るための数多くの減税措置がとられています。中でも世界同時不況ともいうべき混乱の震源となった金融証券分野については、次のように優遇税制の延長などが盛り込まれました。
昨年の税制改正では、上場株式等の譲渡所得および配当所得に対する10%の軽減税率(所得税7%+住民税3%)が、平成20年12月31日までで廃止され、平成21年1月以降は20%(所得税15%+住民税5%)になる予定でした。しかし、今回の税制改正ではこの方針を改め、平成21年1月1日から平成23年12月31日までの3年間は、引き続き10%の軽減税率を適用することになります。したがって、前回の税制改正では、譲渡所得で500万円を限度とし、配当所得で100万円を限度として適用税率が異なるという複雑さが問題でしたが、今回の改正によりその心配はなくなりました。
また、上場株式等の譲渡所得および配当所得に対する軽減税率10%が廃止され、本来の20%税率が適用される予定の平成24年以降には、新たな非課税措置が創設されます。具体的には、非課税口座を開設して年間100万円を限度に5年間、最高500万円の上場株式等を受け入れることができます。そして、開設した年から10年以内に限り、その上場株式等の譲渡所得や配当所得に対して所得税および住民税を非課税にするという制度です。さらに、将来の金融所得一体課税に向けて、金融商品別に異なる課税方式を一本化したり、上場株式等の譲渡所得と配当所得間の損益通算の範囲拡大を引き続き検討する方針も盛り込まれています。
100年に一度ともいわれる金融危機や不況に直面し、貯蓄から投資への流れに異変が生じています。マーケットがオーバーシュートしているような時期に、冷静に方向感を見極める賢い投資行動を取る人が増えているのでしょうが、時計の針を逆回転させるような過剰反応により、何が何でも安全資産で運用するという姿勢でも私たちの資産や暮らしは守れません。目先の現象だけに目を奪われるのではなく、長期的視点で資産運用を検討し、国策として講じられる優遇税率の延長や非課税措置の創設などを上手に活用して、じっくりと息の長いライフプランを実現する資産設計が求められています。
株式会社FPインテリジェンス 代表取締役/CFP®/税理士
白根 壽晴
プロフィールとコラム一覧
1954年東京都生まれ。77年早稲田大学法学部を卒業後、住友電気工業㈱を経て83年に税理士登録。資産運用アドバイスに強いファイナンシャルプランナーとして定評がある。「定年後のお金 全疑問45」(東京書籍)や「会社にも自分にももっとお金を残す本」(かんき出版)など著書も多数出版。全国の大学、金融機関などで分かり易い講演を行なっている。現在、日本ファイナンシャルプランナーズ協会専務理事としてマネー教育の普及にも努めている。
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。