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安全資産(国債)は、将来も安全なのか?
44兆3,000億円という空前の赤字国債発行を予定した平成22年度予算案が、通常国会に提出されました。一般会計の総額は92兆2,900億円ですが、歳入のうち税収は37兆3,900億円、税外収入(いわゆる霞ヶ関埋蔵金を含む)を10兆6,000億円見込んでいる異例づくめの国家予算です。

このように国債発行額が税収を上回る予算は、1946年(昭和21年)敗戦直後の焼け野原だった時期以来64年ぶりのことです。戦時下では破壊行為である戦争遂行に多額な国家予算をつぎ込んだので、その後遺症に悩む終戦直後の財政事情には納得もできます。しかし、バブル崩壊と失われた20年があったとはいえ、日本の財政がここまで追い込まれた理由は、政治経済全般の政策運営にミスリードがあり、これを許してきた私たち国民にも責任の一端があるのでしょう。
ところで、世界同時不況下にあってリスク回避の傾向から、円預金や日本国債という安全資産と呼ばれるものに投資資金が集中してきました。しかし、現在の日本の財政事情から検討すると、このような現在の安全資産は将来も安全とは言えず、むしろ将来の深刻なリスク資産と考えざるをえません。
日本政府の借金残高は864兆円(平成21年9月末)と、GDP約500兆円対比で170%超の巨額になり、米国の37.5%などと較べて突出しています。日本国債は海外資金が買うのではなく、個人金融資産を中心とした国内資金が買い支えているから大丈夫なのでしょうか。実は、その個人金融資産頼みも限界に来ています。少子高齢化により家計の貯蓄率は、1980年代前半の15%超から現在3%ほどに落ち込み、将来は貯蓄取崩しによりマイナスになると予測されています。
買い手に余力がなくなる中で平成22年度の国債発行計画は、借換債や財投債も含めて162兆円にもなります。歴史は、「このような国債増発は将来の金利上昇と厳しいインフレを招く」ことを証明しています。「デフレ脱却が課題である時期にぴんと来ない話」と思われるでしょうが、国家財政が破綻に瀕していることに強い危機感を持たなければなりません。そして、安全資産を過信したり過大に依存することなく、金利上昇やインフレ抵抗力のある資産にも今から資産配分しておくことがますます重要になってきました。
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株式会社FPインテリジェンス 代表取締役/CFP®/税理士
白根 壽晴
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| 1954年東京都生まれ。77年早稲田大学法学部を卒業後、住友電気工業㈱を経て83年に税理士登録。資産運用アドバイスに強いファイナンシャルプランナーとして定評がある。「定年後のお金 全疑問45」(東京書籍)や「会社にも自分にももっとお金を残す本」(かんき出版)など著書も多数出版。全国の大学、金融機関などで分かり易い講演を行なっている。現在、日本ファイナンシャルプランナーズ協会専務理事としてマネー教育の普及にも努めている。 |
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。 |
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