|
|

日本の近未来を『ギリシャ』にしないために
ギリシャの財政危機は、EUとIMFによる融資実行の基本合意以降も世界同時株安を誘発する事態にまで発展しました。この金融市場の混乱の原因は様々な要素がありますが、その一つにギリシャ支援の前提である「財政再建策の実行」が疑問視されていることがあります。
その理由は、メディア報道に見られるようにギリシャ国内の反政府暴動やゼネストなど、財政再建策に対するギリシャ国民の反発が激しく、再建策の円滑な実行が不透明だからです。国民が反発している財政再建策は、ギリシャ財務省によると以下の通りです。
- (1)付加価値税率21%から23%への引上げ
- (2)高級車や高額不動産などへの資産課税の強化
- (3)化石燃料やタバコ・酒類への課税強化
- (4)公務員の給与カット
- (5)年金給付のカットなど
マーケットは、ギリシャに続く財政悪化国に懸念を示し始めているようですが、遅かれ早かれ、GDP対比180%以上の長期債務を抱える日本がその目に留まることでしょう。ギリシャ国債の流通利回りが一時13%台まで、5ヶ月ほどの短期間に長期金利が8%も上昇したことを以って、日本の長期金利の上昇プロセスを予測することは、両国の諸条件が異なり困難です。
しかし、日本が将来、投機筋などの標的となり、IMFなどの救済と引換えに抜本的な財政再建を求められた場合、上記の(1)~(5)を含む国民生活に甚大な影響を及ぼす増税と緊縮予算が避けられないことは、ほぼ間違いありません。
日本政府が早く本気で財政再建に取組むことが必要なことは言を待ちませんが、私たちも他力本願ではなく、従来以上の決意を持って強固なライフプラン・マネープランを確立しておかねばなりません。
プラトンやソクラテスなどの賢人を先祖に持ったギリシャ人が、その後キリギリスだったのかどうかわかりませんが、日本人も現在の享楽のために将来につけを回す経済感覚を転換する必要があると、ギリシャの教訓に学ぶべきでしょう。
(2010年5月17日執筆)
 |
 |
株式会社FPインテリジェンス 代表取締役/CFP®/税理士
白根 壽晴
|
|
| 1954年東京都生まれ。77年早稲田大学法学部を卒業後、住友電気工業㈱を経て83年に税理士登録。資産運用アドバイスに強いファイナンシャルプランナーとして定評がある。「定年後のお金 全疑問45」(東京書籍)や「会社にも自分にももっとお金を残す本」(かんき出版)など著書も多数出版。全国の大学、金融機関などで分かり易い講演を行なっている。現在、日本ファイナンシャルプランナーズ協会専務理事としてマネー教育の普及にも努めている。 |
|
|
 |
| ※ |
本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。 |
|
|
|