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リスクの考え方
リスクとは可能性のことです
株式や債券に投資することはリスクを伴います。もちろん、株式や債券に投資するファンドに投資しても、リスクは消え去っていません。分散投資はリスクを抑えてくれますが、完全に消し去ってはくれないのです。したがって、証券投資をすれば、多かれ少なかれ、リスクをとっているものと考えておく必要があるでしょう。
ところで、とてもよく使われるようになった『リスク』という言葉ですが、『損失』と混同されることが少なくありません。損失とはすでに確定したもの、リスクとは損失の可能性があることをいいます。そのため、リスクがたくさんある状態でも、そのリスクが実現しなければ、結果的にリスクがなかった場合と全く同じ結果になるのです。
ある川に立派な石橋と丸太を渡しただけの橋があったとします。そして、丸太の橋は雨でぬれてツルツルになっていたとしましょう。もちろん、丸太の橋がリスクのある状態です。スベって川に落ちてしまうかもしれません。でも、運がよければ丸太の橋でも橋から落ちることなく川を渡りきることができるのです。川を渡りきってしまえば、どの橋を渡ったのか関係ありません。リスクとはそういったものです。
リスクの考え方は一つではない
リスクとは、予想されるリターンに対してその値がどれだけ上下に振れそうなのか、その可能性を表現したものです。一般的には、標準偏差や分散といった尺度が使われます。
しかし、これに対しては少し反論があります。「予想していたリターンより上に振れたときは、嬉しい誤算であるけどリスクではない」という考え方です。そこで、予想されるリターン以下になる可能性のみをリスクと捉えるようにします。これが、下方(ダウンサイド)リスクという考え方です。ファンドの評価分析で有名なモーニングスター社などもこの考え方を取り入れています。
さらに、他の考え方もあります。株式や債券から構成される資産が変動しても、負債が同じように変動するのであれば困らない。つまり、リスクと考えなくてもよいとする考え方です。ちなみに、個人にとっての負債とは、現在抱えている住宅ローンなどの負債だけではなく、将来の生活のために現時点で準備しておく必要のあるお金までも含めた広い意味での負債です。どちらかといえば、FP的な発想のリスクの考え方といえるでしょう。企業にたとえるのであれば、資産から負債を差し引いたもの、つまり、自己資本が安定していればリスクがないと考えるのと同じです。
どの尺度を採用するかは、人によって異なってくるでしょう。どれが正解であり、どれが不正解であるか、解答があるわけではありません。
大切なことは、いずれの方法を採ったにしてもリスクが存在していることを認識しながら投資を続けていくことです。他人が渡り切った丸太の橋、リスクが消え去ったわけではないのです。橋を渡る前に、自分でその橋をよくチェックしてみることが大切です。
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バームスコーポレーション有限会社取締役社長/CIIA®/証券アナリスト/CFP®
杉山 明
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外資系生命保険会社で変額保険、ガン保険の開発を手がけ、同グループの投信会社に移って、商品開発やファンドの定量評価分析をおこなう。 その後、ファイナンシャルプラニング業務などの金融サービスを提供するバームスコーポレーションを設立し、取締役社長に就任。 現在は、ウェブサイト上を中心とした金融および投資に関する情報提供、執筆、講演活動なども積極的に行っている |
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。 |
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