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インデックス運用が唯一の選択肢ではない
インデックス運用とその有用性
最近、日本で投資できるETF(上場投信)が増えたことによって、インデックス運用の利点が強調されることが多くなってきています。ETFは、ファンドの騰落率(運用成果)が、ある市場に連動するように運用するインデックス運用という投資手法で運用されています。インデックス運用は、パッシブ運用といわれることもあります。たとえば、日本の株式市場に連動するのであれば、東証株価指数(TOPIX)に連動するように運用することは、インデックス運用の代表例になります。インデックス運用の反対は、アクティブ運用です。日本の株式市場の例であれば、東証株価指数を上回る投資成果を達成することを目標とした運用手法です。
インデックス運用の有用性を強調する場合、
- インデックス運用はアクティブ運用より手数料が安い
- アクティブ運用のファンドの半数以上は、目標とする市場平均を上回る運用成果を挙げられていない
という点が主張されます。そして、厚生年金保険や国民年金保険などの公的年金の年金積立金の運営では約8割がインデックス運用で運用されているという事実が添えられることが少なくありません。
インデックス運用の盲点
ここで披露したインデックス運用の有用性に口を差し挟むつもりはありません。しかし、インデックス運用に欠点がないと考えるのはいかがなものでしょうか?もし、投資家がすべてインデックス運用を採用すると決めるとどのようになるでしょうか?前述の日本株式の例で考えると、投資家は、東証株価指数に含まれる銘柄に、時価総額に応じた比率で投資することになります。東証株価指数は、東京証券取引所第1部に上場している銘柄で構成されています。つまり、東証第2部上場銘柄やJASDAQなどに上場している銘柄に投資する人はいなくなります。エスビー食品(東証第2部上場)や日本マクドナルド(JASDAQ上場)に投資する投資家がいなくなってしまうという状態になります。
もちろん、実際はそのような状態にはならないでしょう。エスビー食品や日本マクドナルドの株価が下落すると、割安と感じて投資する投資家が出現し価格は均衡します。割安な株価で購入することは、よい運用成果を挙げるための重要な要素です。しかし、東証株価指数に連動するインデックス運用を行っている限り、そういったチャンスを実現できるチャンスはほとんどありません。
この話のポイントは、東証株価指数は日本の株式すべてを代表している指数ではないということです。そのために、もし、インデックス運用を目指す投資家が、東証株価指数を目標として運用を行うと、東証第1部に含まれる銘柄と含まれない銘柄の間に「価格の溝」のようなものが生じるのです。東証株価指数ではなく、日経平均を目標としたインデックス運用でも同じことが言えます。日経平均に含まれる225銘柄と含まれない銘柄の間には「価格の溝」が生じるのです。もちろん、この「価格の溝」はアクティブ運用を目指す投資家にとっては好都合になります。
個人投資家にとって、インデックス運用はとても魅力的な運用方法であることに間違いはありませんが、インデックス運用以外の選択肢(アクティブ運用)をすべて却下してしまうことは行き過ぎのように思えます。公的年金の積立金の運用において、アクティブ運用が約2割採用されていることは、アクティブ運用の価値をある程度認めていると解釈するのが妥当なのでしょう。
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バームスコーポレーション有限会社取締役社長/CIIA®/証券アナリスト/CFP®
杉山 明
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外資系生命保険会社で変額保険、ガン保険の開発を手がけ、同グループの投信会社に移って、商品開発やファンドの定量評価分析をおこなう。 その後、ファイナンシャルプラニング業務などの金融サービスを提供するバームスコーポレーションを設立し、取締役社長に就任。 現在は、ウェブサイト上を中心とした金融および投資に関する情報提供、執筆、講演活動なども積極的に行っている |
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本ページの掲載内容は、寄稿された執筆者の考え方や見方を紹介するものであり、当社が特定の金融商品や投資信託の個別銘柄を勧誘・推奨するものではありません。 |
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